富士山・鎌倉の推薦書決定 世界遺産へ信仰

渡辺周防衛副大臣20日、カーター米国防副長官と防衛省で会談し、米新型輸送機オスプレイの沖縄配備について「今回は国民が懸念している. 強行配備すれば、地位協定や安全保障条約の問題に大きな懸念が生まれるきっかけになる」と述べ、慎重な対応を求めた. カーター氏は「日本の状況は理解している. 安全性について真剣に取り組んでいる」と語り、一連の事故調査結果などを提供する考えを示したが、計画見直しには触れなかった. オスプレイは23日に米軍岩国基地(山口県岩国市)に陸揚げされる. 渡辺氏は記者団に「岩国に来るときに運動が起きる可能性もある. 不測の事態が起きないよう配慮したい」と語った.

外務省や文化庁など7省庁でつくる世界遺産条約関係省庁連絡会議が25日開かれ、富士山と「武家の古都・鎌倉」について、日本が国連教育科学文化機関(ユネスコ)へ出す推薦書の内容を正式に決定した. 締め切りの2月1日までに提出し、推薦書をめぐる国内の手続きをすべて終了させる. 推薦書はその後、ユネスコに届けられ、2013年夏のユネスコ世界遺産委員会で登録の可否が審査される. 推薦書では、富士山は、富士山本宮浅間大社忍野八海など25の構成資産からなり、日本人の信仰の対象となったことや、浮世絵など芸術の源泉になったという価値が強調された. 一方の鎌倉は、鎌倉大仏円覚寺など10の構成資産. 山稜(さんりょう)部と一体となった政権所在地で、武家文化がはぐくまれた土地であるという価値が強調された.